参観日2
先週、ニャコさん一年生最後の参観日がありました。
授業内容は「ひ・み・つ」だそうで、前日に「教えちゃおか?」と言われるも、「別にいい」と答え、特に気にしなかった母はノコノコと学校へ行きました。
校内へ入るのに機械での検温だとか消毒だとかで長蛇の列......。なかなかの警戒態勢です。
やっと校内へ入った頃にはあと五分で授業が始まる、という感じでした。
やでやで、と教室へ入るとニャコさんが早速母を発見してニタニタと手を振ります。そこからずっと手のひらに「人」という字を書いては飲み込み続けるニャコさん。
なんだ、何をそんなに緊張することがあるのだ?とちょっと嫌な予感がする母。
ずっと「人」を飲んでいる...。何のアピールかしら...怖い。
で、授業が始まりました。お題は「この一年間でできるようになったこと」でした。
コマが上手に回せるようになったよ、とか、縄跳びが上手くなったよ、とかの発表を前に出てきて実践するといった内容のものでした。
ニャコさんは一体どの部門で出てくるのでしょう。
どの部門も大体4、5人が出てきて一人ずつ発表する感じだったのです。
まあそれでも保護者がわんさか居る中で、数人でとはいえ前に出てきてコマを回したりするのは緊張しますわな。母は人前で何かをするということが死ぬほど嫌いなので、子供たちにただただ拍手をして尊敬の念を送ることしかできませんでしたよ。
しかしニャコさんがなかなか出て来ない。相変わらず「人」を飲んでいる...。何をしでかす気なのでしょう。
「作文がうまく書けるようになった、の人~~」
と呼ばれた瞬間、ニャコさんが立ち上がり飛び出して来ました。
え、一人?
何かもう嫌な予感が確信になった母。
「わたしは、作文がうまく書けるようになりました!その作文を読みます!『クッキーを作ったよ』」
「!!!!!!!」
この作文は!!!あの伝説の!学期末の保護者面談で先生に大ウケ(悪い意味で)のヤツじゃないか!?
「わたしはおかーさんと二人で初めてクッキーを作りました。卵を割って混ぜて.....云々かんぬん云々かんぬん....。食べた後におかーさんに聞きました。買ったクッキーと作ったクッキー、どっちがおいしい?と。するとおかーさんは『買った方がおいしい』と言いました。わたしは作ったクッキーも買ったクッキーもどっちもおいしいと思いました」
駄目なヤツじゃん...。
保護者~ズから失笑が聞こえます。
母は思わず古畑任三郎よろしく額を押さえてしまいました。人間って追い詰められるとこんな漫画みたいな動きをするのですね、先生。
ニャコさんは生き生きとはっきりと朗々と、すごく上手に発表しましたよ。
でも、どう聞いても母が『人でなし』にしか聞こえませんよ?
保護者面談でこの作文の話になった時に先生が「何てシビアな方だと思いましたよ」と大笑いしていましたけど...。
違うんです!確かにクッキーは作りましたけど、ほぼ全部母が作ったのであってクッキーのキットみたいなのでこれこれを混ぜて型に入れて焼けば出来上がり~みたいな簡単なやつやったんです!粉を量ってどうのこうのするような繊細な作り方のやつじゃなかったんです!だからお父さんと「あんなに手間暇かけてお金をかけて作ったわりには普通」という結論に至ったのであって、そりゃぁニャコさんが一から一生懸命作ったものであったなら母も「あんたが作ったクッキーは超美味しい!!」くらいは言っていた...はず、です。
...と面談時にも先生に熱く語った母です。
で、母に出来ることといえば、ニャコさんと親子関係にある、と思われないよう何気なく参観を続けることでした。「あれが、あの子のお母さんなのね...ふっ(人でなし)」と思われるのがツライ...。違うのに...そんな意味じゃないのに...。
でもあんなに素知らぬ顔をして頑張っていたのに授業が終わった瞬間「おかーさーん!」と嬉しそうにニャコさんに駆け寄って来られて、「お前、あたしを世間から抹殺する気か!?」と心の中で絶叫しました。
バレたな。あたしが「人でなし」と。
母とニャコさんに気づいた先生がやってきて、「あの作文ニャコさんのお気に入りで~」と素敵な笑みを残して去って行きました...。
本当に?どういう意味で?
ぐるぐると母の頭の中を疑問が巡りました。
この話を職場でしたら、「先に内容を聞いて『行かない』という選択肢があったんじゃ...」と爆笑の後冷静に言われました。ですよね...ごもっともですよ。
何故前日に「教えちゃおか」と言われて「別にいい」なんて言ってしまったのだろう。あの時の私にビンタしに行きたいくらいだわ。
夜、お父さんにも報告をしたら爆笑でした(←この人は無傷。何故だ。あの発言は二人でしたはずなのに)。
「あの作文、好きながよね~」
とニャコさんが改めて言っておりました、。
...ねぇ、どういう意味で?