豊臣秀吉

昨日、仕事でいつもとは違う内容の仕事をしなければならず、母の職場は朝からちょいとざわついておりました。

通勤するバスの中でもシミュレーションをしてテンションをあげておりましたが、途中からまさかの「渋滞でバスが動かない」という展開に顔に縦線が入ったりして、違う意味でテンションがかかりました。

何とかかんとか遅刻せずに職場にたどり着いて仕事の準備に入りました。

さあ、あとは時間がくるのを待つばかり、となった辺りから何のテンションか、先輩(女)が歌い始めました。

「あーきのゆーひーにー....」

何の躊躇いもなく、「てーるーやーまもーみーじー」とまた一人先輩(女)が歌に加わりました。「こーいもうーすーいーもー」と母も躊躇いなく加わります。そして、後輩(女)が何だか素敵にアレンジして加わってきます...。

最後まで朗々と歌いきりました、事務室で。.....ここは歌声喫茶ではない、会社です。

やりきったな(いや、大変なのはこれからです)、みたいな空気で、「じゃ、それぞれ頑張ろう」と解散。

.........いかがだろうか、この感じ。冷静に見たら「怖い」の一択でしょうよ。

本人たちには何の違和感もない始まりでしたが。

昨日の微妙な仕事の緊張感をお伝えしてみました。

 

で、そんな緊張した仕事も終わり(まだしばらく続くのだけれども)帰宅すると、お父さんとニャコさんが先に帰っていてご飯を食べておりました。

「おかーさん!今日私絵を描いたきあとで見て!」

と、るんるんのニャコさん。「あとで」と言えるようになった辺りに成長の跡が見られます。今までは、いつだろうがどこだろうがご飯を食べていようが別のことをしていようが「見てもらいたいときがその時」ばりに走ってやってきて色々と押し付けるのが得意技のニャコさんだったので。

「まあ、先にお父さんに見てもらいや。私はあとでゆっくり見るわー」と母は急いでご飯を食べて、用事を済ますべく動き始めたのですが(この時点で「お父さんはいかん見せん」と冷酷非情なニャコさん。なぜだ)....。

父子が色々と済ませ落ち着いた頃にやっと母はお風呂に入ったのですが、そこからニャコさんの攻勢が始まりました。どどどどどどどどっと脱衣所にやってきて、

「おかーさん!今どこ洗いゆう?まだ出ん?」

いんま入ったとこじゃい!!!とツッコミながらざばざばと洗い続ける母。

「絵を見てー」

「今風呂入っとるやろ!見えるわけないやん!」

アイドルの出待ちをするが如く風呂場の戸口の向こうでこちらの動きを探っているニャコさんの影。

(なぜだ、なぜ今見せようとする!!!)

「わかったーあとでねー」と去っていくニャコさん。一応言うことを聞いてくれた模様。で、しばらくしてお風呂から出て脱衣所で髪を乾かし始めた途端、やってきました、ニャコさんが。

「おかーさーん!」

「いやだからさー!こんなに髪を乾かしゆうし、メガネかけてないき見えんがよ!!あとでゆっくり見るいうてるやろー!!先にお父さんに見てもらえー!!」と脱衣所から追い出しました(成長したとか言ってた私をビンタしたい)。

「おかーさーん、おとーさんに見せたら『とよとみひでよし』って言われたー」と再びやってきたニャコさんの台詞に俄然興味が出てドライヤーをかける手が止まった母。

髪の毛半濡れのままメガネを装着し、ニャコさんの持ってきた絵を拝見。

「!」

....そこには確かに豊臣秀吉みたいな人がいた(お父さん、いいとこ突いたなぁ)。

「あたしは、『もったいないばあさん』を描いたがやけどよー」とニャコさん。

確かに、絵本で有名な「もったいないばあさん」のおばあさんなのだけれども、すごく上手に描けているのだけれども、お父さんのせいでもう秀吉にしか見えない。

「すごいうまく描けちゅうやん!」と、母は今までの非礼を詫びるが如くすごいテンションで褒めまくりました。

ニャコさんご満悦~、で就寝時間と相成りました。

 

お父さんに見せたくない気持ちもわかるような気がした母でした。