運動会(後)
さて、かけっこを余裕のお手振りでフィニッシュした(最後尾で)ニャコさんのお次の競技は...。
ダンス! それも、『U.F.O.』(byピンクレディー)! 皆様ご存じでしょうか、この名曲。ある一定の年齢以上の方は完璧に踊れるであろうこの曲。
しかし、この令和3年に誰が踊るというのだろうか、という謎。完璧に先生の趣味というしかないこの選曲。最初にニャコさんから聞いたときは母もお父さんも耳を疑いましたよ、ええ。だって、昭和の名曲ですよ。母なんてギリギリ知識として知っているだけで、お父さんは、隣のお姉さんが当時踊ってたわ~くらいな感じ。
名曲だけど、今時のパパさんママさんは「?」ではなかろうか...と心配になったけれどもニャコさんはパワー全開で踊り狂っておりました、カメラ目線で...。
踊り狂っている途中で曲が止まり、その途端ガーッとグラウンドの中央に走って行って玉入れをする、という謎の競技。そしてまた曲が始まったら元の位置に戻って続きを踊るという疲れる競技...。
何だか知らないけれど、面白かったです。
ニャコさんは家でも踊りの練習を欠かさず、「こんなに頑張りゆうのに踊りのリーダーに選ばれんかった!!」と悔しさを滲ませ、またしても母に「この出たがりの...ゴホゴホ...いや、やる気満々の性分は一体誰のDNAなのだろう...」という疑問を抱かせておりました。少なくとも母にはこのやる気DNAは存在しない。という話をお父さんにしたら、「俺、すっごい目立ちたがりやったで!」と素敵な笑顔でお返事が...。
おまえか...。
そんなわけで、無事に運動会を終えることが出来ました(競技と競技の間の曲が『ダンシング・ヒーロー』...。完璧に先生の趣味ですよね?)。
時間的には午前中の一時間で終わったので本当に良かったです。帰ってきたら汗ダッラーでしたけど、これくらいなら生きていられます。
ニャコさんは午後は授業でしたけれども(それはそれで尊敬する。母なら帰る)。
朝早くからせっせと弁当を作った母はぶつぶつと「何故給食がないのだ...」と言っていたけれども(母らの時代は普通に運動会でも給食だった!)。
夜、ばっちりカメラ目線で手を振り踊り狂っているニャコさんの動画を皆で観て「良かった良かった」と謎の昔話的な感想で終わりましたとさ。
運動会(前)
この前の日曜日、ニャコさんが入学して初めての運動会がありました。
一年生の時はコロナ感染予防の為に中止だったので、今年は一体どういう展開になるのだろうかと思っていたのですが...。
まず、開催するということは決まりけりで、あとはどうやるのか、というのが課題だったようで。
結果、時間差別の開催と相成りました。九時からは○年生、十時からは○年生、という感じで、親はその時間に来て一時間ほど観て帰る、というベストなやり方。
母なんかの子供の頃を思い出すと、一日を通してずーーーっとどの学年かが競技をしているもんだから親も帰ってなんかいられない、というイメージ。
そんでもって朝早くから場所取りなんかして(巷の情報)、それはそれは大変なイベントだなぁ、という感じだったのです。とうとう母もその競争に参戦するときがやってきたのか...と思っていたのですが、蓋を開けてみたら時間差開催という老親にも優しい感じ。
観覧も各家庭二名まで、という徹底ぶり。おじいさんおばあさんはここで涙のリタイアです。
ニャコさんの学校は多分マンモス校(ニャコさんの学年は5クラス)なので保護者(という名のじいさんばあさんたち)を全員観覧可にするとエライことになるのでこれはすごく良いな、と思いました。
が、問題はよもやの「天気」でした。いきなり梅雨入りになってしまってずーーーっとジャバジャバ雨が降っていたもんだから、こりゃ中止だな、と母は密かに思っていたのです。ニャコさんにはそんなこと関係ないもんだから(実際は大有り)必死で踊りの練習をしておりました。
が、まさかの前日からピーカン!グラウンドも乾く!当日に至っては30度近い温度!太陽が眩しいぜ!半袖持ってこーい!...という感じになりまして。
やはり行かねばならぬのか、あの坂道を上って...と少しアンニュイになる母でした(本当に学校に続く坂道がキライ←マジ急過ぎる!)。
あとは観覧衣装の決定です。
「目立て!誰よりも目立たないかん!」と職場の先輩から目に痛いほどの黄色のスポーツブランドTシャツ(まるで母がデキる選手のように見える...)を無理矢理譲渡され、ニャコさんが保育園の時の運動会(これはびっくりするほど少ない人数だったが...)から着ているものを着用。
お父さんを見ると、阪神タイガースのキャップを被り首にタイガースのタオルを巻き付けていた...。すごいチョイス。母には何も言えなかった。
結果、先輩の言うことは正しかった!!!!
グラウンドに何とか辿り着き、我が子をばと見れば皆同じ格好(当たり前...)で誰が誰だか全く分からない!という恐ろしい現象が。
いくらなんでも自分の子なら分かるだろうとたかをくくっていたのですが、本当に全く分からない!男女の区別くらいしかできない!(それも微妙)
が、ここで後にニャコさんが語るところによれば、「おかーさん、すぐ分かったで。あの服で」。先輩万歳!
その頃、お父さんと母は必死に目を凝らしてニャコさんを探していたのですが、諦め掛けておりました。...どうせ、かけっこは六番目に走るって言ってたし、踊りはこの辺りに来るって手紙で位置情報を知らせてくれてるし、と。
でも、他に何かいい手はないかと思案していて気づきました。ニャコさんは何か変な色のスニーカーを履いていたな、と。
「そう言えば、何かすごい色のスニーカー履いてなかった!?グリーンが目に染みる感じの!(←決してグリーンが悪いわではない)」
それだー!とばかりに目を凝らすと、目に染みるグリーンが数人。一人じゃなかった!
...まあ、その数人を追えばいいか、とりあえず。
そうこうしているうちに競技が始まりました。いきなりかけっこです。そこまできたら六番目だから余裕です。...観覧席からスタートは遠いけれど、ゴールは目の前です。
母は知っていました、五人で走って五番目にゴールすることを(ニャコさんの正直申告)。なので平常心で動画を撮ることに集中できました、とほ。
ニャコさんの申告通り、五番目でコーナーをとすとす走って来ました。さて、最後の十メートル...なんということでしょう、余裕の笑みでこちらに手を振っております!!ばっちりカメラ目線です!
やってくれたな!!
ほんとは早く走れるんですけどここは軽く走ってみました、みたいな変な余裕を感じさせる雅な動きでした...。
何だかニャコさんに無限の可能性を感じてしまった母でした。だって、出来ます?女の子であの手振り...と思ってしまうのです(家の外であそこまで調子に乗れるとは...)。
後で先生に怒られたそうです...。
つづく
書類
無事にニャコさんが二年生に進級しました。
春休みから始業式までの間、児童クラブに行ってもらわなければならないので母はせっせと弁当を作り続けました...苦行。
やっと学校給食が始まったので万歳。いや~、本当に給食って良いですねぇ。ありがたいことです。
ニャコさんの弁当は、中学生が食べるんじゃね?というくらいの量なのですが、まだ足りない、と言うのでバナナも付けておりましたが(丸々一本)、母は不安でしかありませんでした。
いや、絶対この量多いって...と思いつつ、しかししっかり食べて帰ってきていたので減らすわけにもいかず...。
給食が始まって、おかわり勝ち抜き戦にも参加しているようで(大体負けているらしい)、男の子に混じって熱い戦いを繰り広げているようなのです。
しかし...、食い過ぎ感が否めない。あの、ひょろっとした体のどこにそんなに入るのだろう...と思うくらいニャコさんは標準的な大きさの小学二年生。
フードファイター感が否めなくなってきてちょっと怖い母です(この前もうどん二玉食べてたしな←おかずも普通に食べてのおかわり)。
さて、新学年になると提出しなければならない書類がいっぱいありますね。
超集中して書類に記入しまくっていた母はある書類で「あああああぁぁぁぁ」となりました。
ある一枚の書類の最後に電話番号を一つ書けば出来上がり、というところで気づいたのです。「鉛筆で記入してください」
「マジで!?」
何故冒頭に書かぬ!?何故(記入すべき欄の)最後の最後に書くのだ!?とさんざんぱらその一枚の書類にペンで書き込んでいた母は絶望すら感じたのです(大袈裟でしょうが、何枚も何枚も書いていて行き当たったこの注意書に『何ですと!?』となりませんかね、ふっ)。
何枚もある書類の中の一枚なのであれなんですが(加筆修正がある書類だそうで)、驚いた母です。ダメですね、最後の最後まで読んで書き始めなければ。反省しつつ、最後の電話番号だけ鉛筆で記入してみました。無駄な足掻きな気がします...。
一昨日、ニャコさんが二階のお父さんの巣(部屋と呼ぶには部屋が気の毒なので)からすごい勢いで降りてきました。最後の一段で転んだ音もしたので、何やら本当に急いでやって来た模様でした。
「おかーさんこれ!!」
と、両手に抱えていたのは尋常じゃない量のタバコ(カートンで買ったのをバラし、綺麗に箱のままきっちり詰め込んだでかい箱)。
「奪ってきた!」
すごい海賊感のニャコさん...。
お父さんは喫煙者ですが、やめるやめると言う割にはやめたのを見たことのない見事な「やめるやめる詐欺」の人なのです。
今まで吸ってきた人間がやめれるわけがない、と思っている母は野放しにしていたのですが、ニャコさんは正義の人なので、厳しいのです。
「隠そう!」
ニャコさんは興奮して言い募るのですが、母はいまいち乗り気にならない(だってどうせ返すことになるし...)と思っていると、すごい勢いでお父さんが降りてきました、「どろぼー!!!」と叫びながら。
瞬間、何となく母は座っていたコタツ(うちはまだ布団付き)にそっとでかい箱を隠してみました。
母が特にキーキー言わないことを知っているお父さんはニャコさんにロックオンしたまま「どこで!返しや!」と怒っています。
口を割らないニャコさんは再び二階の巣に突撃し、新たに三カートン奪取してきました。...どんだけ買い込んどるんじゃ。
結局、どこにあるかわからないままお父さんは不貞腐れて二階の巣に戻りました。
母は野放しを少々反省して、タバコを隠すことに協力しました。持病の薬の効果を帳消しにするモノをこのまま吸っていてはやはりダメですよね、ということで。
ニャコさんは再び巣に入ってお父さんを説得しております。
「あたしはおとーさんに死んで欲しくないが!体に悪いって言いゆうやん!」
...すごいなぁ、ちゃんと説得してる、と一階で聞き耳を立てる母。何やら言い合いをしていましたが、ニャコさんが降りてきました。
「おかーさん、タバコ返しちゃろうか...」
半泣きです。いつも仲良しなので、怒られたショックで弱気になっているニャコさん(この場合怒るお父さんが悪いのです)。
そこで母が根性を出す番です。
「あんたは何の為に盗んできたがで!(盗んではいない...) 本気やないがか!(そこまで本気ではない...) 覚悟が足らん! そればあのことで弱気になるがやったらやめちまえ!(良いことしてるのに...)」(←行動を起こしたニャコさんを鼓舞しているのですが、そう聞こえますかね?)
......で、ニャコさんは改めて本気を出し、後で降りてきたお父さんにタバコの隠し場所を言わないことに成功しておりました。めっちゃ言いたそうな口をしていましたが、鬼のような母の顔を見ては思い直しておりました。お父さんはまさか母が加担していると思っていないのか(はたまた恐怖ゆえか...)、聞いてきません。ま、聞いてこられても「知らん」で通すつもりですが。
「四万円分あったのに...」
と、ぶつぶつとお父さんは昨夜も呟いておりました。
ま、どうせ四万円分吸わないままで終わるようなことは出来ないでしょうがね。
疲労
この一週間は地獄な母でした。
やっとゾフィアさん(仮名)の会議室での送別会が終了した次の日、謎の筋肉痛。
「まさかのマジック疲れかしら...」
やったのはトランプマジックだから座って動かないので多分違うと思うのですが、それほどの疲労感があったと推測されます。
でも、登場するときに気を利かせて「オリーブの首飾り」を流してくれたので、それらしい、トランプではない大きなマジックをやり(見事に失敗←皆ギャグかと思ったらしい...)ちょっと動いたのでそのせいかな、ふふ。
会が終了した後、ゾフィアさんが居ないところでその他大勢が言いました、「もうこんな送別会はしない!」と。半泣きです。
ある者は一月以上夜なべをしてゾフィアさんの似顔絵を刺繍したクッションを渡し(眠気との戦いで最終的に立って刺繍していたという...)、ある者は吹いたことのないオカリナを猛練習し、ある者は歌いながら優雅にダンスし(選曲は「ろくでなし」...)、ある者は朗読をし(見事な替え詩!)、ある者はギターをかき鳴らし...。
最終的にゾフィアさんの心の友が叫びました、「あんたの為にみんなぁこんなに頑張ったがで!!!どれだけ大変やったか!」(←心の友だからこそガンガン言えるのです)。
ゾフィアさんは感動しきりだったのですが、心の友の叫びに「みんなぁ仕事が忙しかったのにありがとう」と恐縮しきりでした。
そして、どれだけ大変やったか発表会に移行していったのです...。母のように一芸のない人々はこの一月の練習で発狂しかけたのは事実ですからね、てへ。
いつもなら盛大にお店で飲めや歌えやで終わる送別会ですが、時期が時期だけに仕方がなかったのですがね。
一同からの花束やら高級お菓子やらブランドもののスカーフを身につけゾフィアさんは去って行きました(まだ三月中は出勤しますが)。
家族総出で作ったフリップ芸も好評で、ニャコさんも満足してくれました。
「え、あたしもその会に行きたいき学校休んだらいかん?」
と、面白いことを言っていたニャコさんでした。
そうだよね、ちょっと聞いたら「お楽しみ会」だもんなぁ、と今更ながら思い至った母です。
実際、爆笑につぐ爆笑の会だったのですから。みんな疲れていたのだと思うのです...。
マスクをし、換気をフルでし、一時間くらいでサクっと終わったのですが、なかなか趣のある送別会になりました。でも、もう二度とやらないであろうことだけは確かです。
それほど皆の命は削られたのでした、とほ。
転倒
いつもそうなのですが、大体母の仕事がたて込み、なかなかすぐに帰れない状態の時にニャコさんは学校帰りに転ぶのです。
先日もそうでした。それでも、母があと少しで家に辿り着く、という時に電話が掛かってきたのです(それだけでもマシだったということでしょうか)。
「おかーさん....またこけた。メガネも壊れた...」
メガネが壊れるほどの転びっぷりよ...。前回もそうだったよな、と遠い目になる母。
家に辿り着いて中に入ると、額、手、膝とでっかい絆創膏を貼ったニャコさんがお出迎え。ズボンの膝はビリビリになり、血だらけ...。恐ろしい。
本人は至ってお元気そうなのでひと安心。一人で消毒をし(本人曰く、「お茶で洗い流したー」)、的確に絆創膏を貼っているあたり、手慣れた感が漂います。母の出番は特になし、です。
今からメガネ屋に行けるかしらと調べると、行きつけのメガネ屋さんはお休み、というなんとかの法則の如くどうにもならない感じ。
メガネにヒビの入った漫画みたいな姿のニャコさん。おまけに、座るということを忘れたのか、ズボンをたくしあげたままウロウロと部屋を歩き回っています。
「とりあえず座ったら?」
と言うも、ウロウロが止まらない。テンション高めにウロつくばかり(本人曰く、「久しぶりにこけたきショックながよ...」)。
メガネ屋さんに行けないと分かった瞬間から母はもう諦めているので夕飯の準備です。
一体どういう風にこけたらそんな傷を負うのか、と聞くと、
「あそこのカメラ屋の前の坂を走って下りてきたら足がつんってなってこうこけたがよー」
と、見事な下向き大の字っぽく再現。
「殺人現場みたいな感じになってよー」
と、ちょっと面白い例えをするニャコさんにちょっと笑う母。
「あーちゃん(仮名)は泣くし、いっくん(仮名)は血にビビって『うおーっ』ってずっと叫びゆうし....男ってやっぱり血に弱いでねー」
と、謎のドヤ感。
「...あんたはどこから目線でそれを言いゆうがよ」
一緒に帰っている友達にすごい姿(アスファルトに額からダイブするという)を晒しておいてどの口が言っているのか...。
恐ろしい現場を目撃させられたお友達に深い同情と申し訳なさでいっぱいの母でした。
とりあえず母にできることは、もし道端で転んで大ケガをしている子供がいたら助けられるようにしておくことだな、と思いました。心の余裕と、絆創膏を持つことだな、と。大ケガをしている大人は「即救急車」だけれども。
次の日、帰ってきたニャコさんは興奮気味に言いました。
「児童クラブに行ったらよー、昨日のことを知らんはずの友達らあも『ニャコちゃん大丈夫ー?』って聞いてきてよー」
一体昨日はどれほどの大惨事だったのでしょうか...。
放課後児童クラブでは既に周知の事実だったようです。先にクラブに行っていたあーちゃんといっくんが報告してくれていたようで(それほどの衝撃を与えてすまぬ)。
そうこうしているうちにメガネも直り、絆創膏だけはまだまだ取れませんが元気に過ごしているニャコさんです。
どうか、どうか、すっ転ばないように生きてください、と願うばかりの母です。
告白
最近、ニャコさんが頻繁に告白してくるのです。
「おかーさん!好きです!愛してます!」
「...そうですか」
これ以上何と言えばよろしいのでしょう。布団を敷いている時とかに、部屋の隅に佇んでいるなぁ...とか思っていたらいきなりの告白タイムですよ。とにかく布団を敷かせてくれ、としか思わない母。
昨日は、お風呂から出て髪をドライヤーで乾かしていたら脱衣所にいきなり出現して、
「おかーさん!好きです!付き合ってください!」
と、告られたのですが、どうですか。何ですか、その意味するところは...。
「嫌です!付き合いたくありません!」
と、きっぱりお断りさせて頂きましたが、しかし...。
とにかく髪を乾かさせてくれ、としか思わなかったのです。
「付き合うって何?そもそもあたしとあんたはそれ以上に深い関係じゃん」
と、落ち着いて問うと、
「あ~、『絆』みたいなこと?」
と、何だか深いお答えが...。ええと、小学一年生だよね?と沈思黙考しかけた母。
「付き合うっていうのはねぇ。おとーさんに内緒でデートとかすることよ、あたしとおかーさんが。でへへ」
何を照れているのか...。
内容的には合っているけれど、人物が間違っているのだよ、ニャコさん。なんならお父さんとデートでいいですよ。お父さんは喜ぶんじゃないでしょうか。
「おとーさんはイヤ。おかーさんとデートしたいがよ!」
...残念。
そんなわけで、付き合いはしないけれども母がニャコさんの財布代わりにどこかに行くことになりそうな予感でいっぱいの今日この頃です(きっとそういうことですよ)。
一芸
母は最近悩んでいます。
職場で定年退職者が初めて出るのですが、時節柄大々的に送別会を開くことも出来ないので、飲食禁止の一芸大会が開かれることになったのです(職場の大会議室で...)。
「あんたは器用やき歌以外で」
と、先輩に指示され(歌は他の人に歌わせるらしい)、母はさて何をやろうかと考えることになりました。が、よくよく考えてみると、人様にお見せできる芸を何一つ持ち合わせてないことに気づき愕然としたのです...。
知り合いの女性は安木節を披露しまくっていたらしいのですが、なるほどこういう時に活きるのだな、と思い至ったのでした。安木節万歳。
で、行き着いた結論→マジック
決定して先輩にも宣言した後で練習を開始して気づいたのですが、これ、大変。
いかに己が器用でないかを思い知らされることだらけ...。
種も仕掛けも分かっているのにコインなんか消せやしない。指先の器用さが超必要。
そして話術。全然巧みじゃない話術を持つ母には超厳しい。
100均でマジックセットを買ってちまちまやってみるけれども、器用さが必要過ぎて美しく見せられずグレ始める母。いくつか購入してのやっと一つクリア、みたいな日々を過ごしております。
日に日にモノに出来ないマジックセットだけが増えていく様子にニャコさんとお父さんも苦笑い。
一芸って偉大だな...としみじみと遠くを見つめる母はもうマジックをやる気が失せています。
で、抱き合わせでいこう!と思い付いたのです。マジックとフリップ芸!
退職するゾフィアさん(仮名)の、「こんなゾフィアさんは嫌だ」をやってみようかしら、と。
話術が必要なものの最高峰じゃん...と今気づいたのですが、画用紙を買ってきてあとは描くだけの状態になっております。ゾフィアさんネタはいくらでもあるのです!
ここまで来たらニャコさんとお父さんも投入します。
「わたし、絵を描きたい!」
と、まんまとニャコさんが手を挙げたので、「よーし任せた!」と堂々と丸投げ。もれなくお父さんもついてくるはずなので安心です(二人は仲良し!)。
あとは、モノに出来ているマジックをどこまで完成度高く見せられるのかが勝負と言えるでしょう。
だってゾフィアさんネタは鉄板だから、きっと。例え無表情で語ったとしても分かってもらえる、はず。
最近、ゾフィアさんネタで母が腰が砕けるほど笑ったこと→ゾフィアさん宛に電話が掛かってきて、「ゾフィアさん電話~」と声が掛かりました。遠くにいたゾフィアさんがやってきて「はいはい」と保留状態の電話の受話器を上げたのですが。「もしもしお電話代わりました~」と自然な流れからの「もしもし!?もしもし!?」と不自然な流れへ。
たまたまその目の前で作業をしていた母はハッとしたのです。同時にゾフィアさんも気づいたのでしょう。
「あ、これバーコードリーダーや!」
ありますか?バーコードリーダーを必死に耳に当てて会話する力。すごいよ、ゾフィアさん!ゾフィアさん曰く「何か赤いと思ったがよね~」。それはバーコードを読み取るときに出る光線です!
こんな愛すべきゾフィアさんを立派に送り出すべく母は頑張りたいと思います。
出来るかな?